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僕がまだ高校生だった頃、旋律や和声が溢れて苦しくなり、夜中に鍵盤を弾いて何曲も作曲しました。今年は、あの頃に近い感覚を何度か味わいました。

「音楽が降りてくる」

持続性を持った旋律と和声。(ここでいう持続性とは、ふと聴こえてきた音楽が数日後、数ヶ月後、全く同じようにもう一度思い出せるという意味)それらが何かをひっくり返したみたいに唐突に溢れてくる。

言葉にするのは、あまりにも難しいのですが・・・そんな感覚です。

今年、6月に「revenir(ルヴニール)」という曲を書きました。(→当時のブログ)「原点回帰」をThemeとした楽曲です。

そして、12月「Les Amoureuses [レザムルーズ]」という曲を書きました。今年最も印象に残ったワインの名前から。(フランス・ブルゴーニュ地方、シャンボール・ミュジニー村の1級畑。)

レザムルーズは、直訳すると「恋する乙女たち」

先日、書き上がったばかりの音源をFacebookにアップロードしたところ、地元写真家のYさんからお電話をいただきました。

「曲を聴いたよ!双子座流星群の写真を科学館のプラネタリウムで上映するんだけど、佐藤さんの書いた曲をぜひ使いたい。」

もちろん快諾させていただきました。お声をかけていただいたこと、本当に感謝です。美しい自然が溢れる北海道で、写真家の方が撮影した双子座流星群。その美しい写真と自分の楽曲を一緒に楽しんでいただく機会をいただきました。(2013年1月中旬くらいから、地元室蘭市の科学館プラネタリウムで使われるそうです。)

この曲は、Acoustic PianoとFluteのために書きました。今年6月に書いた曲、Revenir(ルヴニール)を9月に 宮川 悦子さんのフルートと演奏させていただきましたが、新年1月5日のホームパーティでまた、新しい曲をあわせることが出来そうです。

■宮川さんとのRevenir(今年9月)
http://con-vento.com/?p=2902

今年の目標は、「焦点をあわせる」でした。

自分の外側に目を向けるのと同時に自分の中で本当に大切にしていたものが何だったのか焦点があったような気がします。そして、大切な場所に原点回帰するような一年でした。

僕にとって、音楽は特別で大切なものです。

上等なショコラのように甘美だったり、シェリーみたいに切なかったり、ブルゴーニュワインみたいに見守ってくれる存在であったり。

音楽を失いたくないし、音楽をつくりだす感性を枯らせたくないと思いました。

ある方がいいました。「何かひとつだけ、五感のなかで一つだけ残って、他のすべての感覚を失うとしたら、何を選びますか?味覚ですか?聴覚ですか?」

僕は、「聴覚」だと即答しました。味覚は、自分が楽しむためには必要かもしれないけど、聴覚さえ残っていれば、僕は音楽を奏でることができるから。そして、その音楽で救われる人が一人でも二人でもいればいいと。

「言葉に不器用な僕は、こうして音楽を作ることしかできない」

そんな言葉を何度いったことか。学生の頃も今も、何も変わっていないみたいです。