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子供がピアノを習いたいといったら、どうしますか?

普通は、楽器店に電話したり、ピアノを習っている子供を持つお母さんに聞いたりして、ピアノの先生を探すと思います。誰でも良いというわけではなく、選択肢の中から一番自分の子供に適していると思った先生にお願いすることになるでしょう。音楽大学に行かなくても、4歳ではじめて、中学生くらいまで続けたというのはよく聞く話です。 親が音楽をやっていなければ、自分で教えることが出来ないからレッスンに通わせるという人もいます。もし、親がピアノの先生だったりすると親が教えたりするのでは?と思いますが、少なくとも音楽大学の同級生でそのようなことをしている人たちはほとんどいません。誰か「他人」の「信頼できる」先生を見つけて、その先生のところにレッスンに通わせます。それが子供にとって「うまくなるため」の最善の方法だからです。 社会人になって、もうピアノは弾いていないけど「ちいさいときピアノやっていたんだ」という話を聞くことがあります。音楽は続けていないけど、親が払い続けた10年分のレッスン料とピアノ購入代金がその人の「音楽」に必要だったコストです。

管楽器の場合は・・・

今現在、社会人で吹奏楽団などで管楽器を吹いている人の場合は、少し事情が異なります。楽器のスタートラインは、中学校や高校の吹奏楽部。マウスピースの吹き方、呼吸法、楽譜の読み方を年齢が近い「先輩」が教えてくれます。無料で。学生時代は、年に数回やってくる「地元のちょっと上手い人」や「楽器の先生」が指導に来てくれて、それが初めてのレッスン体験となります。もちろんここでも「レッスン料」を支払うということがありません。 吹奏楽連盟などが行うクリニックはグループレッスンがほとんどで、個人レッスンではありません。自分のためにカスタマイズされたレッスンを受けるという経験がないまま大人になっていきます。炎上覚悟で書かせてもらいますがこの手のレッスンを受けて、「確実な手応えを感じた」「上達したという実感があった」「出来なかったテクニックをすぐに習得出来た」などという感想を持つ学生は皆無ではないかと思います。

お金を払って楽器を習うという文化がない

そんな背景もあり、音楽のレッスンにコストを払うという感覚が完全に抜け落ちているのが社会人の管楽器奏者です。プロ奏者のところに定期的にレッスンに通う人やアレクサンダーテクニークのセミナーを受けているアマチュア管楽器奏者は、非常に少ないわけです。社会人管楽器奏者に「レッスンに行く」「お金を払って楽器を習う」という文化が根づいていないというのを常々感じています。14歳でピアノをやめた子たちよりも長い期間、音楽に触れているというのに。レッスンと聞くと「音大行く人のためのものでしょ?」とか「怖い先生になんでお金払って怒られないといけないの!」という意見をよく聞きます。

うまくなるためには、仕組みづくりがいる

例えば、「フランス料理が作れるようになりたい」「スノーボードに乗れるようになりたい」と思ったら、そのための仕組みづくりが必要です。料理教室に行くとかスキー場でレッスンを受けるとか。コツやノウハウを知ることで、同じ努力をしても最大限の結果が出せるからです。スポーツだったら、事故や怪我も減るでしょう。 楽器練習も同じで「うまくなりたい」のであれば、うまくなるための仕組みづくりが必要です。考えられることを書いていくと・・・
  • プロの演奏会に行く(吹奏楽だけではなく、オーケストラや室内楽なども)
  • SpotifyやApple Music、Google Musicなどに加入して優れた演奏をたくさん聴く
  • プロ奏者や信頼できる指導者(レッスンプロ)にレッスンを受ける
  • 使っている楽器やセッティング、マウスピースなどを工夫する
  • アンサンブルなどを組み、演奏機会を増やす
  • 自分にとって必要なメソッドを用意して、練習する
など、様々なことが考えられます。楽器やマウスピースの工夫というのは、お金さえ払えば出来るのでやっている人が多いことのひとつです。ところが、レッスンを受けるという部分が抜け落ちている方がほとんどなのです。

レッスンというのは、道案内をしてもらうということ

僕にとって、レッスンでお会いする先生は、水先案内人のようです。
  • 自分の奏法は、自分にとって正しく機能しているか
  • 自分が正しい方向に向かっているか
  • 自分の肉体的特性や音色傾向を活かすことが出来ているか
  • どうやったら音楽表現の幅を広げることが出来るのか
そんな自分の成長における道筋を示してくれるのが指導者の理想像だと思います。水先案内人がいないと船が座礁したり、衝突事故を起こしてしまいます。これは、音楽においても同じ。道標ないままに「うまくなる」わけがないのです。

北海道の音楽を変えるには、仕組みづくりが必要

音大時代、NHK交響楽団の首席ホルン奏者にホルンを師事していました。一番の収穫は、プロ奏者の素晴らしい音色や音楽を全身で浴びることが出来たということですが、レッスンそのものは、昭和的な感じでした。課題となるメソッドも個々にカスタマイズされたものではなく、同じメソッドを門下生全員がレッスンに持っていく感じでした。北海道に戻って、しばらく音楽から離れていましたが、ホルンを再開しようと思ったとき、僕にとっては「うまくなるための仕組みづくり」が必要でした。僕の場合は、30代に入るとホルンを吹くと身体が本当に辛かったのでそのための先生が必要でした。こちらのブログ記事に詳しく書いていますが、僕が日本一だと感じたその先生がバジル・クリッツァーさんでした。 バジルさんのレッスンは、自分にあった身体の使い方を学べるところが一番の魅力だと思います。ホルン奏者としての肉体的機能を最大限活かすにはどうしたらよいのかを学べます。今まで習慣としてやっていたことが無駄な動きであったことに気づいたり、何度かレッスンを受けていく中で奏法が洗練されてくるのを感じました。そして、確実に「上達」を実感することが出来ました。 次にやったことは、若手の優秀なホルン奏者を探すことでした。数年前、ウイーンフィルの首席ホルン奏者だったギュンターヘーグナー氏が来て公開レッスンを行うという情報が。その公開レッスンで、札幌交響楽団首席ホルン奏者の山田圭祐先生の演奏をはじめて生で聴きました。終演後、山田先生を突撃!「社会人のオッサンのレッスンしていただけませんか?」と即ナンパしました。(笑)「いいですよ〜」と即答いただき、音楽的表現や細やかなホルン奏法に関するレッスンを山田先生に受けています。 話を整理すると
  • 肉体的な機能を十分活かすためのレッスン>バジルさん
  • 音楽的表現や芸術としての音楽を高めるためのレッスン>山田先生
と僕自身の水先案内人は、二人の優秀な若手ホルン奏者にお願いしているわけです。そして、札幌交響楽団首席ホルン奏者の山田先生も毎年、バジルさんのセミナーを全講座聴講いただいたり、レッスンを受けていただいています。第一線で活躍なさっているプロ奏者でもバジルさんのレッスンは、非常に興味深いものなのです。 アレクサンダー・テクニークセミナー北海道を立ち上げた一番の理由は、北海道にいながら(東京に行かずに)バジルさんのような一流講師のレッスンを受けられるようにするという仕組みづくりでした。簡単にいえば、僕自身がレッスンを受けたいので立ち上げたといえます。そして、北海道在住で楽器を演奏する人たちに等しく、優秀な講師のレッスンを受けられるな機会を作りたいと思ったのです。今まで、レッスンを受けたことがない人にとっては、レッスン料金だけでも大きな経済的負担です。東京までの旅費も払うとなるとなおさら・・・。でも、札幌開催なら多くの人がレッスンを受けられると思いました。 先日、高校時代の後輩(彼もホルン)と同じ演奏会に出る機会があり、アレクサンダーテクニークの話をしました。彼が言うには、ウェブサイトなどの文章を読むとそんなに変わるの?騙されているんじゃない?と思っていたそうです。確かに普通のレッスンと違って、バジルさんのレッスンは、即効性があるので、興奮気味に書かれた文章にレッスン体験がない人達は、怪しいと思ったりするのかもしれません。 でも、もしこのブログを読んでいるあなたが少しでも興味があるのだとしたら、一度飛び込んでみるのも良いかもしれません。美味しい料理も美しい景色の観光地も自分の目で確かめなければ、真実はわからないのです。2018年も10月に2日間、札幌市内でセミナーを開催します。ご興味があれば聴講でも良いので一度セミナーにいらしていただけると幸いです。

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